今回は、糖尿病について書いていこうと思います。
あなたは糖尿病についてどのくらいご存知ですか?
糖尿病と聞くと、「甘いものの摂りすぎが原因でなってしまう病気」という認識の方が多いと思います。
しかし、実は糖尿病は「合併症」を引き起こす重大な病気なのです。
それでは詳しく見ていきましょう。
糖尿病とは
糖尿病は体内のインスリンがうまく機能しないことで、血液中を流れるブドウ糖という糖(血糖)が増えてしまう病気です。
インスリンというのは、膵臓から出るホルモンであり、血糖を一定の範囲におさめる働きを担っています。
血糖の濃度(血糖値)が高いまま長い間放置されると、血管が傷つき、より重い病気(慢性合併症)に繋がってしまいます。
血糖とインスリン
糖は人間が活動するためのエネルギー源です。
食事をすると、栄養素の一部が糖となって腸から吸収され、睡眠中や食事をしない時には、主に肝臓によって糖が作られています。
糖は常に血液中を流れており、糖は「インスリン」の助けを借りて細胞に取り込まれます。
「インスリン」は糖が細胞に入るための鍵という事です。
「インスリン」の働きによって、糖は血液中を溢れる事なく細胞に供給されるのです。
インスリンが機能しなくなり、糖尿病へ
インスリンがうまく機能しないというのは、主に2つの原因があります。
① インスリン分泌の低下
何らかの原因で膵臓の機能が低下すると、十分なインスリンが作れなくなってしまいます。
インスリンは糖が細胞に入るための鍵の役割をしていますので、鍵が減ると細胞に入れない糖が増えるとイメージして下さい。
結果、細胞に入れない糖が血液中に溢れてしまいます。
② インスリンの抵抗力
インスリンは十分な量作られているが、インスリン自体の働きが弱くなっている状態です。
運動不足や食べ過ぎによって肥満になってしまうと、インスリンが働きにくくなってしまいます。
糖尿病の種類について
糖尿病はいくつかの種類に分けられますが、大きく分けると2つに分類されます。
1型糖尿病
1型糖尿病は、膵臓からインスリンがほとんど出なくなる事で、血糖値が高くなります。
この状態になると、インスリンを外部から取り入れないといけないので、注射でインスリンを補う治療を行います。
2型糖尿病
2型糖尿病はインスリンが出にくくなったり、インスリンが効きにくくなる事で血糖値が高くなります。
2型糖尿病の原因となるのは、「食べ過ぎ」「運動不足」「肥満」などの環境的な要因に加え、親からの「遺伝」も原因の一つです。
上記の他にも女性の方は「妊娠糖尿病」というものがあったりもします。
糖尿病による症状
糖尿病自体は症状がない事がほとんどで、気付かないうちに糖尿病になってる!という方は多いです。
実際、糖尿病は血糖値が高くならないと症状が現れません。
血糖値が上がる事による症状で言うと、「体重が減る」「疲れやすくなる」「トイレの回数が増える」などの症状があります。
さらに血糖値が上がると「意識障害」になってしまう事があります。
本当に怖いのは合併症!?
糖尿病自体は、直接命に関わる病気ではありません。
しかし、糖尿病は特に自覚症状が大きく出てくるものではないので、気付かぬうちに症状が進行してしまっている場合があります。
そこが一番怖くて、症状進行の先には合併症が待っています。
糖尿病はこれが一番怖いのです!
それでは糖尿病特有の「三大合併症」をご紹介します。
※合併症は他にもたくさんありますが、ここでは三つの大きな合併症を取り上げます。
糖尿病による三大合併症
糖尿病の症状が進行すると、全身の細い血管や神経の障害が出てきます。
それが合併症へと繋がります。
糖尿病性網膜症
眼底の血管に障害を引き起こし、ものが見えにくくなり、最悪の場合「失明」してしまいます。
糖尿病性神経障害
末梢神経に障害を及ぼし、段階的に手足に様々な症状が出てきます。
第一段階 → 手足の痺れ
第二段階 → 手足の神経が麻痺
最終段階 → 手足が壊疽を起こし、切断を余儀なくされる
糖尿病性腎症
腎臓機能の障害を引き起こし、手足にむくみが現れます。
症状が進行すると慢性腎不全になり、人工透析が必要になってしまいます。
糖尿病を予防・改善するためには
糖尿病の原因因子の多くは、生活習慣を改善する事で減らす事ができます。
1.健診
まず糖尿病であるということを健診により、発見し自覚する必要があります。
2.食事
規則正しく食事することは糖尿病対策の基本です。
些細なことから意識することで、糖尿病のリスクを減らすことができます。
・朝食、昼食、夕食の三食を規則正しく食べる。
・主食、主菜、副菜をそろえて栄養バランスを整える。
・満腹以上に食事をとらない。
・夜食や就寝寸前に食事をとらない。
3.運動
運動は血液中のブドウ糖を減らして血糖値を下げます。
さらに筋肉量が増加することにより、インスリンの働きを高める効果があります。
・有酸素運動 → ジョギングやウォーキング、水泳のような全身運動のことを言います。
・筋力トレーニング → 足や腰、背中の大きな筋肉を中心に部分的にトレーニングすることを言います。
ヘルスケアLabo〈第3回:糖尿病の恐怖〉:まとめ
いかがでしたでしょうか。
糖尿病は気付きやすい初期症状が無く、知らない間に糖尿病になっている事が多いです。
自主的に定期検診を受け、体の状態をご自身で確認してみて下さい。
何かあってからでは遅いのです!
是非、ご自身の体を大事にして下さいね!